2013/07/06 19:04キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場
【入場者数】12,537人【天候】晴 27.1℃ 76%
【主審】東城 穣【副審】大塚 晴弘/穴井 千雅
12 SH 8
15 CK 3
17 FK 14
中村俊輔の蹴ったコーナーキックがラインをそのまま割った瞬間に試合終了の笛がなったが、三ツ沢の空間を支配したのは、ものすごい敗北感の空気だった。
おかしなもので、兵藤のこぼれ球を押し込む計算通りの同点ゴールが決まったときには、もう逆転したような気持ちになっていて(主には私たち観客が)、タイスコアのまま試合終了を迎えたときには敗れた気持ちになっていた。
事実、勝ち点2を失ったという印象が強い。楽観視していたわけではないが、鹿島に連勝して上り調子で、相手は昇格組の最下位となれば、計算上は勝つか負けるかではなく、どう勝つかと考えてしまうものだ(チームではなく、私たち観客が)。ひょっとしたら、そんな緩みがスタンドからフィールドに伝播してしまったかもしれない。
多くの選手が、言い訳になってしまうがという枕詞をつけた上で、強風の影響を、このゲームが難しくなってしまった理由としてあげていた。確かに、南西の風はずっと強く吹いていて、スタンド上部のJリーグ旗、フェアプレー旗のたなびき方は普通ではなかった。
実はコイントスのとき、不覚にもビッグフラッグの下に隠れてしまい、気がついたらマリノスが風下にいた。風向きが一定なら前後半で陣地が入れ替わる以上、大きな差はないのだが、この日が5/25以来の実戦だった大分に対して、ナビスコ2試合でガチンコをこなしてきたマリノスの試合勘というアドバンテージを生かすなら、前半に風上に立ちたかったのは間違いない。
立ち上がりにあれほどまでにボールがつながらず、ロングボールでどんどん押し込まれるマリノスを少なくとも今年は見たことがない。風を気にして、やりづらそうだなあとなんとなく見ていたら、10分、20分とシュートすら打てないまま、徐々に大分のチャンスが増えていく。けれども、あの失点のシーン以外に決定機などなかった。中澤と栗原の間に入ったアーリークロスだけがスペシャルだった。あの場所に放り込まれたらもう榎本哲也にはノーチャンスだった。
後半に風上、風下が逆転したら、もちろんものの見事に、マリノスのペースになって、狙っていた通りに中央で競り合ったボールがこぼれて兵藤のもとへ。兵藤のトラップが基本通り、シュートしやすいところにボールを置くという高い技術に基づくもので、シュートもGKが決して手の届かない場所に蹴り込む狙い通りだったのだろう。ゴールした直後の兵藤のドヤ顔が、いかに一連のプレーが狙い通りだったかを物語っていた。
こんな絵に描いたようなゴールが決まれば、逆転は時間の問題だと感じられた。だが、この時点で、もう試合勘云々のアドバンテージはなくなっていたし、どちらかと言えば風下で体力を消耗していたマリノスのほうが先に足が止まってしまう。俊輔が攻撃の第一歩目の飛び出しが遅かったと指摘していたが、それは中町らがボールを奪おうとする動きも、守勢にまわったときの小林、ドゥトラの対応でも同じだったように思う。とにかくちょっと、みんな疲れていた。
樋口監督の交代策も実らなかった。81分に富澤→藤田、92分に齋藤→端戸。交代が遅いというよりも、有効でなかった。こうなるリスクもあるから、普段から樋口監督の交代は遅いというかセーフティなのかもしれない。残念ながら、風の影響で俊輔のプレースキックも定まらず、全体的に運動量が落ちてしまっては決定機はほとんど作れず、逆にカウンターを食らってしまう。引き分けに持ち込んだのがマリノスだったのか、大分だったのか?
優勝するチームは、こういう残念な試合をしないものだろうけれど、34試合すべてがうまくはいかない。デキのいい試合、悪い試合あるだろう。たまたま最下位相手のホームの試合でそれが出てしまった。大事なのは次と、次の次と、そのまた次じゃないか。浦和こそ、土壇場で勝ってしまったけど、大宮もC大阪も引き分けたから勝ち点のダメージはさほどでもない。(強がり?・・いや、そりゃそうだ)
こんなゲームの次が大事。大宮と浦和を直接叩くためにも、C大阪戦は結果もそうだけど、いつものマリノスらしいサッカーをしてくれることを願って。
三ツ沢の帰り道は、私たちもちょっと疲れ気味だったけど、やはりマリノスのある週末はいいもんだと、そもそも幸せだという事に気づいた次第です。
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