決して悪い出来ではなかった。私もそう思います。3失点するような内容では決してありませんでした。
しかもシモビッチがハーフタイムで下がるのが既定だったとすると、0-0で折り返していたならば勝機十分。それどころか楽な試合になっていた可能性すらあります。
しかし。しかし、スルリの次はポロリ。
飯倉大樹の調子がおかしいです。遠藤保仁のPKを止めた際に、何か大事なものを吹田に置いてきてしまったかのような。
ウタカの次はシモビッチ。相手のエースの前に溢す、その運の無さも相まって、まさかの3失点でした。
率直に言って、2点目はキーパーチャージを取って欲しかったという思いはありますが、それよりもその後の永井と交錯した際の逆上に、違和感を覚えました。
2点を追う展開になったというのに、飯倉はなぜ永井とのいざこざに時間を使ったのでしょう。
果敢な挑戦の末に起こるミスは、「結果」だから切り替えることも、許すこともできます。しかし、このムダな行動を律することができないほど、冷静さを失っているのなら、一旦ベンチに下がって頭を冷やす必要があるのでは。
ミスが3試合続いたから、というよりも、永井との接触後の対応に今の飯倉の問題があるように思います。余裕がない、焦っているというか、もう少し症状が。
遠藤渓太。毎試合、確かに進捗しています。この日もバーを叩くヘディング、ディフェンスに間一髪防がれたシュート、自分で打てよ！というシーン、たくさんのフラストレーションはありました。
でも、あれだけの場面でチャンスに絡んでいた事実がまず凄いと思うのです。
永井にぶち抜かれた3点目のようなプレーを、近いうちに遠藤が見せてくれるのではないでしょうか。私はそう確信しました。スピードにスランプ無し。あのディフェンスの外を回っても先にボールに追いつく魅力。もう少しで、マリノスに歓喜をもたらしてくれるはずです。
また同じくスピードを持ち味とする前田直輝がこの日の交代一番手でした。だいぶ持ち味を出して、エリア内に侵入するプレーが出来てきました。伊藤翔のゴールにつながるクロスもエリア内で前田が上げたものです。難しく考えるタイプではありません、この日のようにガムシャラに突破で、彼の場合は良いのかもしれません。
一方、3失点目は、小林祐三から前田へのパスを永井がかっさらったことが原因でした。小林のパスが短く、緩かったのは確かですが、前田もパスを取りに行かずに待ってしまったのは改善すべき点です。
一方でこの日もカイケには見せ場無し。今までは運動量の少なさと守備での貢献の少なさが指摘されていましたが、この試合で感じたのは基礎的技術についてです。トラップがマイナス方向に大きくなったり、はたくパスが全く意思疎通できていなかったり。カイケが流れを止めている場面は1〜2回ではありませんでした。
では、そんなにヘタなかと言うとそんなはずはなく、彼もまたメンタルに何らかの問題をかかえているのかと。単なるホームシックなのか、味方との連携が深まらないことを悩んでいるのか、いずれにしても、ブラジル時代のプレー映像を見る限り、この程度のダイレクトプレーが出来ないはずがないのですが。
でも、まだカイケを諦めるには早すぎます。彼こそ、何も考えずにやればいいのに。
正念場で3連敗。まあ、優勝争いとかは一回忘れましょう。もう開き直って、まずは甲府戦。さすがに俊輔の疲れが心配ではありますが、すぐに試合があることを良しとするしかありません。
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