仕方が無い。
櫛引のポジション取りを責めても、なんでこのカードで味スタとヤンマーが会場か、せめて逆にてまきなかったかと愚痴っても。
雨の水曜日という悪条件で、わずか2千人という観客数であっても。
これが準決勝でいいのか。残留争い、昇格争いが優先される風潮。日本最古のトーナメント、歴史ある天皇杯はサッカー協会の手によって、その権威を失おうとしている。
残すは決勝戦のみ、12月13日に日産スタジアム。カードはG大阪対山形に決まった。
熊本、ソニー仙台、鳥栖、北九州、千葉に勝利した山形が決勝へ。なんとなく対戦相手が地味過ぎるが、それはほとんどのJ1クラブが早期敗退につぐ敗退を繰り返したからで、山形の悪運を責めてはいけない。
横浜F・マリノスのホームである日産スタジアムで、天皇杯連覇をかけて決勝を戦うという夢のような夢は、早々に幕を閉じ、天皇杯記念ユニの敗退後発送というネタを提供してしまうことにもなった。
マリノスが敗れた北九州が8強に進出し、それを降した山形が決勝に進んだのを見るにつけても勿体無いことだった。
仕方が無いから、16年の元日に思いを馳せたい。
その前に、昨年末、いかに幸せだったかを簡単に振り返ろう。
失意と絶望のリーグ最終戦から2週間、天皇杯準々決勝の相手は大分だった。ラウンド16で、前回覇者であり、マリノス苦手中の苦手、柏を大分が倒したのだった。
J2降格が決まった大分に対して延長後半に富澤のミドルシュートが突き刺さり、辛くも競り勝つと、準決勝は日産スタジアムへ。
リーグ後半に絶好調で、今季の躍進を予感させるサッカーを見せていた鳥栖が相手だった。戦前予想ではコンディションのいい鳥栖が有利との声が多かった。が、2013年最後の最後に、マリノスはものすごい集中力を見せて、前半をしのぐ。
スコアレスで迎え、残り10分を切ってからマリノスの時間帯。美しいパス回しでゴール前を崩すと、86分に最後は兵藤が決めて先制。
アディショナルタイムには、カウンターで中村俊輔がDFを二人フェイントでかわしざまに、左足のシュートをねじ込んだ。これはすごかった。
そして、21年ぶりの決勝進出決定。
思えば、1月1日の優勝の瞬間も幸せだったが、準決勝に勝った29日と、30日、31日のわくわくした気持ちも甘美な思い出となっている。あれは幸せな時間だった。
(http://www.sanspo.com/smp/soccer/news/20141113/jle14111319240006-s.html)
あの幸せな年越しが、2015年末には再びできるかもしれない。サッカー協会の発表によれば、次回大会の決勝は16年元日、味スタということが決まっている。(4万人収容だとチケット争奪戦再びだな)
再び元日決勝が帰ってくる。準決勝は12月29日、つまり前回大会と同じだ。リーグを制して、さらに天皇杯へ。やはり天皇杯のない年末年始はあまりにもつまらない。
もうひとつ重要な変更が発表されている。2種のチームは出場できないこと…の話じゃない。確かに、本大会から高校生を締め出すというのは大会の面白さを削ぐだけの愚策に思えるのではあるが、意図はどこに?
ただ言いたかったのはそこじゃない。ACLで準々決勝まで勝ち進むと、天皇杯でも16強にシードされるという点だ。日程面の問題かと想像するが、ナビスコだけだった優遇が天皇杯にも適用される。そのため戦いづらい下位カテゴリーと戦う可能性が減る。うーん、ACLの常連になれたら、天皇杯も取りやすくなるのだなぁ…。
さて、日産の決勝にどのくらい入場者がいるか分からないが、関東のチームがおらず、年始の開催でもないため、「歴史的不入り」となるのは避けられないだろう。「日産がデカイのが悪い」とかとばっちりを許してはいけない。
次回決勝でマリノスが戦う様子を脳内シミュレーションすることを目的に、今年最後の日産スタジアム行ってみませんか。
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