【保存版】中村俊輔がシャーレを掲げる

スポナビブログの閉鎖に伴い、引っ越し。無くなっちゃうのは忍びなかったのでアーカイブです。基本、更新はしない予定

ゲームプラン通りの会心の結果

目をつぶっても蘇るような、美しい弧がカシマの薄暮に描かれた。

前半18分、中村俊輔が自ら得たフリーキックを鹿島ゴールの左上隅に叩き込んだ。いい時間帯、狙っていたセットプレーという点で、理想的な展開だったと言える。

前半、もう一つ決定機は25分すぎにあった。マルキーニョスペナルティエリア内でうまくトラップして、コースが十分開いた状態でのシュートだったがわずかにゴール左へ枠を外す。

一方で鹿島は大迫が度々、中澤先輩にスピード勝負をしかけてあわやの場面を作るが、あるいは高い身体能力を誇るファビオがたまーに曖昧なプレーでピンチを作ってしまうが、最後の迫力を欠く。とくにゴールエリア付近、野沢のシュートをなんとか榎本が弾いたその後、ドフリーの場面をまさかの枠外、というのは驚いた。

アウェーで、しかも鹿島を相手にリードして迎える後半は、どう戦うべきか。もちろん守勢に回ってはいけない。中村、中町、富澤のボール奪取は冴え渡り、兵藤は縦横無尽に顔を出す。学とドゥトラのサイドを突かれていたが、バランスを保っていたと思う。

左が不利なら、右から行こうと、小林祐三も果敢に攻め上がる。中盤の肉弾戦はやや我が軍が優勢かチャンスもややマリノスに多い。鹿島は枠外のシュートが増えていく。

試合が再び動いたのは79分、マルキーニョスが持ち上がりためを作ってから、右サイドをするするっと上がっていた小林にパス。フリーで優しいクロスを上げるとマルキが走りこみ、ゴールの隅を狙い澄ましたヘディングでゴール!2-0。

何が素晴らしいって、1-0でじりじりした展開の後に、2点目を取ったこと。決めるべし、のときのマルキーニョスは本当に頼りになる。攻守の切り替えもさすがの早さで、チーム全体が統一された意思で戦っている感じ。

この後、もちろん鹿島は前がかりに攻めてくるが、榎本の集中力、判断力が素晴らしくて、見事に完封を果たした。2-0のままで試合を終えたことも重要だ。

ただし、相手もボールを奪う力が高いので、何度か奪われ方がまずくて、センター付近や自陣からのショートカウンターを食らってしまった。また、中澤佑二をサイドに誘い出す動きで、真ん中を手薄にする狙いもあったと思うが、これもちょっと怖い。ファビオは完璧ではないが十分な働きだったから、大丈夫だったけど。

これで圧倒的に有利な状況で、30日の日産での第二戦を迎えることができる。完封したことは本当に大きく、2点差があるからようやくリードしていると言えるからだ。ただ俊輔キャプテンが試合後のインタビューで、来週に向けてまずは、このリードを頭から外すこと、と答えたのを引用するまでもなく、2-0は危険なスコア。あと90分もある。もう一度、立ち上がりをどう乗り切るかだろう。できるだけ膠着した展開に持ち込みたいところだ。

それにしても、中村俊輔のキックは美しい。時間が止まったようなあの数秒間、ゴールが鹿島サポーターサイドだったけど、はっきりと見えた。最初はふかしたのか?

と錯覚するほど高い軌道から、落ちてくる。ゴールバーのギリギリをくぐるように、落ちてくる。

このゴールのあとに直接フリーキックをねらえる場面はなかった。鹿島もそれだけセットプレーを与えないように気をつけていたわけで、この一度のチャンスをきっちりモノにするあたりが、今の中村俊輔が変わらず絶好調な証である。

コンフェデ杯で日本代表の安定しない、乱高下の激しい試合っぷりを見ていると、精神面での正しい準備ができていないか、首を傾げてしまう。一方でマリノスの安定していたこと、安定していたこと。30-40歳近い選手を数多く抱え、「亀の甲より」を証明したね。まあ、マリノスは一ヶ月この試合だけに向けて準備をしてたから、W杯予選と両立しなければならなかった代表と比べるのはフェアでないけど。

ディフェンディングチャンピオンを相手に、アウェーで。臆することなく、入れ込み過ぎることもなく。

オトナのチームのいいバランスが出ているので、あとは若手だ!

齋藤学、何度か西に突破を止められる。マルキは盛んに学を使うのだけど、もっと失敗を恐れずにやってほしい。

奈良輪、2枚目のカードとして切られたのは意外だった。中断期間に控え選手の序列が変わったのがわかる交代とは妻の分析。いいキャンプを送ったことが表情から分かる。すばらしい成長。

表情で言えば、熊谷アンドリュー。いい顔しとる。出場はロスタイムからだったが、ゲームを締める役割で指名があったということはポジティブ要因だ。

そして端戸、佐藤、君たちの力が必要になるときが必ず来る、そうだよね、キャプテン?!

ところでキャプテンは今の調子で頼むぜ。ほんと、怪我には気をつけて。カシマからの帰りの車内はキャプテンのフリーキックのことと、今日の誕生日のことで、ウチら家族の話は持ちきりだったんだから。

35歳、おめでとう!

http://soccer.blogmura.com/f-marinos

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