リーグ最多得点のFマリノスが対するはリーグ最多失点の鳥栖だ。
究極のほこたて対決だ。…いや、最強の矛対丸腰だ。理論上は勝つか負けるかの話ではなく、マリノスが何点取って勝つかということがポイントになる。理論上は、である。
個のテクニックではなくチーム全体がハードワークし肉弾戦で勝負するのが武闘派軍団・鳥栖、少なくとも去年までの我が軍にとっては苦手なタイプだ。うまいマリノス対ごつい鳥栖の図式は昨年だけで終わりにしたい。
ユン・ジョンファン監督は前節の惨敗(浦和戦、2−6)から一週間、メディアにも選手の個別取材を遠慮させて建て直しを図ったという。現在15位だが、去年のような怖いもの知らずの鳥栖が戻って来るとしたらそれは怖い。テクニックは一日で急に身に付かないが、メンタルのスイッチはすぐにでも切り替わるからだ。遮二無二来られたらやはりいやだ。
キーポイントはこの試合も、中村俊輔、富澤清太郎、中町公祐がどのくらいボールを奪い、さばけるかにかかっている。いい形で齋藤学に渡せれば、彼の力は守備陣を混乱させるのは間違いない。また藤田の恩返し弾にも期待(過去2年J2時代の鳥栖に在籍していた)。今の藤田はキレている。肉弾戦にも強い。
(千真だ、田中裕介だ、さんざん恩返しされてきたからね。たまには逆も見たいよね)
こうした下位のチームにきっちり勝ちきる強さがほしい。
何よりも中断期間を迎えるにあたって、よい形で終わりたい。
何度も触れているように、去年も勝てた相手には確実に勝ち、負けた相手に勝てるかどうかというポイント。その意味で、アウェーの鳥栖戦は去年負けたわけだから、ここで勝てば大きな「上積み」ということになる。
去年のマリノスだったら苦戦必至のこの試合だが、今年は去年よりも強いんだ。ということが分かるファイトを見せてほしい。
この一ヶ月のナビスコ杯を含めた過密スケジュールに対して、ベストメンバーを組み続けることの是非が問われ続けたが、それも今日までの話だ。ようするに明日ケガさえなく、勝てばOK。
試合が終わったらすぐ若手は韓国遠征に出発する。
6月中旬には新潟での十日町キャンプ、そしてナビスコの準々決勝だ。
J2からの補強に動いたっていい。実力はありそうだが、戦術があわずにベンチでくすぶっている左サイドバックとか、右のウイングができるドリブラーとかどこかに落ちていないか。
リーグ戦は確かにしばらくないが、やることはいっぱいあるぜ。
その1ヶ月半を(僕らが)楽しく楽しく過ごせるかどうか、明日にかかっている。